子どもの喘息。ネブライザーとスペーサー(エアロチャンバー)、それぞれの特長と注意点と失敗談

      2017/08/28

 

娘は3才から喘息コントロールで毎日ステロイド吸入をしています。ここでは、コントロールを始めて2年たった経験からの、ネブライザー(NE-C802)とスペーサー(エアロチャンバー)の、それぞれの使い方や、メリット・デメリット、エアロチャンバーを使っての失敗談(発作が再発した)をまとめました。
※ネブライザー、スペーサーの両方ともマスクタイプ使用です。
※ちなみに、うちで使ってるのはネブライザー=NE-C802(オムロン製)、スペーサー=エアロチャンバー(アムコ製)です。

 

Sponsored Link

 ネブライザーとスペーサーってなに?違いは?

question-1015308_640

まずははじめに、そもそもの話。この2つは何に使われるかについての確認です。
2つとも喘息治療で使われる機器です(別に喘息に限って使われる訳ではないですけど)。

 

ネブライザーとスペーサーが扱う薬の形

喘息治療には色々な薬があって、それぞれ効果と形が違います。そのうち、1つは液体、もう1つは粉ネブライザーは液体を、スペーサーは粉を扱います。粉と言っても、飲み薬の粉ではなく、口から吸い込む粉タイプの薬です。

 

ネブライザーは「液状の薬(薬液)」を「霧状に変えて(噴霧)」口から薬を直接吸えるようにする機械です。
コンプレッサー式やらメッシュ式やらありますが、喘息治療ではコンプレッサー式を使います。
※形式の違いはこのサイトが分かり易いです→「ネブライザ 噴霧方式について(omron)」

 

スペーサーは、吸入補助器、吸入補助具、とも言われてますが、つまり!こんなタイプ↓↓(下の画像)の薬を一回でうまく吸えない人のための、薬を吸う時の補助具です。

flutide

こどもは、「さあ今!!思いきり息を吸って!!」と言っても、ちゃんとそのタイミングで吸うのが難しいです。吸っても、軽く吸っていて、気管支まで届いていないかもしれません。という事で、粉末状の薬を吸うタイミングをうまく合わせられない人が、薬を上手に吸えるように手伝ってくれるのがスペーサーです。

私もこのタイプのメプチン(気管支拡張剤)を使ってますが、1,2度失敗しました。ぼーっとしていて歯にあたってしまったり、吸う力が弱くて薬が口の中で止まってしまったり、、、です。

 

それぞれの強みと弱み

ネブライザーの場合

私が購入したのはNE-C802(下のゾウさん付のやつ)です。病院で使用するものと、このゾウさんのを使って感じる強み弱みは以下です。

コンパクトタイプのネブライザー。NE-C803(旧型)

 

参考:こちらの使い方は下記にあります。

毎日お世話になっているネブライザー。NE-C802(オムロン)。これなしでは日々の生活が成り立ちません(娘の)。今回はこの大切なネブライザーの洗い方や保管方法などについて、ご紹介したいと思います。まず、わが家で使っているのはNE-C802という、オムロンのコンパクトタイプです(上記画像)。子ども用にぞうさんとうさぎさんのオモチャが付いていますが、4歳になってからは使っていません。洗い物が増えるし、セットが面倒になってきたので、、、。 NE-C802はどんなネブライザー?では、コンパクトサイズとは、どのくらいコ...

 

 

強み:確実に効く

やっぱり!ネブライザーの強みは「薬が確実に気管支に到達する」。ことです。失敗しない」。一度や二度口からマスクが離れても、問題なし。おしゃべりしながらでも大丈夫。本を読みながら、お絵描きしながら、テレビ見ながらでもOK。普通に息をしていれば、ちゃんと薬は効いています
暴れてマスクをどうしてもはねのけてしまう場合はこの限りではありませんが、難しい場合は寝ている間にするのも手です。

子どもにとって、10分じっとしているのは難しい事です。更に片手がふさがっていて、座っていないといけないとなると、大人が思う以上に、子どもにとっては我慢が必要です。我が家の5歳娘は、3歳の春に喘息と確定してから、毎日10分弱の吸入(ステロイド)をかかさず行っています。あと数ヶ月で2年になります。(もう2年かー、、、。なんだか感慨深いなぁ、、、。) 当時は、発作が起きやすい状態だったので、朝夕1日2回の吸入をしていました。朝幼稚園登園前に1回、寝る前に1回。それぞれ約10分ですが、子どもにとって10...

 

 

弱み:電源必要&時間が長い

電源が必要。時間がかかるこの2点はどうしても逃れられません、、、。

旅先とかならまだ電源を探せば良いですが、もし災害でどこかに避難した場合、または停電で電気が使えなくなってしまった場合。ネブライザーは使えません。  ※バッテリー付きもあるみたいです!

また、やっぱり時間がかかるのはネックです。昔まだ娘が小さかった頃、はじめは病院でのネブライザーを嫌がりました。何とか抱っこしておもちゃで遊ばせて時間を過ごしましたが、数回は大変でした。ただ、発作を何度か経験し、その時にネブライザーを使うと楽になるのを覚えてからが、「苦しいからモクモクしたい!!(モクモク=煙=ネブライザーのこと)」と自分から言って静かに煙を吸うようになったので、私としては楽でした。

ちなみに、物によってはうるさい。というのも気になる点ではありますが、これは機械によります。NE-C802は小型なので音もそこまで大きくないですが、通常のタイプだと音が結構します。その分、コンパクトは時間がかかり、通常タイプはスピードが早い(5分位)です。

下記では、ネブライザーの種類(コンパクト・普通サイズ)によるメリット・デメリットをかきました。必要な方は参考にしてくださいね。

コンパクトタイプのネブライザー。NE-C803 娘は3歳の時に喘息が確定し、それ以来毎日、喘息治療(喘息コントロールとも言います)のためにステロイド吸入と抗アレルギー剤を服用しています。※2017.5.30現在。娘は6才(小1)になり、ステロイド量も減り、発作もほとんど出ていません。継続は力なりー。次はシングレア中断してみるかな。 毎日ステロイド。とだけ聞くと、拒否反応を示される事がしばしばありますが、「ステロイド使用」については以下の記事にまとめましたので、興味ある方は読んでみてください。そもそも、...

 

 

スペーサー(エアロチャンバー)の場合

 

これも、私が買ったのはこちら、エアロチャンバー小児用。黄色でかわいいクマさんで吸入に乗り気になれます。ちなみに、エアロチャンバー乳児用は赤色、小児は黄色、ボーイズ・ガールズ(小学生以上)は青、緑、ピンクがあります。もし購入する際は、サイズに気をつけてください。

 

強み:時間が短い&電源不要

そう、何よりも嬉しいのは、「時間が1分未満!!」という事です。多分30秒くらい。というのも、筒とマスクの間に「弁」があって、深く息を吸うと、その弁が動きます。エアロチャンバーでは、その弁が5回しっかり動くのを確認すればOK、となっています。つまり、「5回しっかり息を深く吸いましょう」という事です。
私は妙に不安だったので、娘には10回弁大きく動くように、深く息を吸うように言ってました。

また、電源が不要なのも、いざという時に安心です。どこでもいつでも、コンセント口を気にせず吸入ができるのです。

 

弱み:効果が目に見えない

実は、静電気に弱いスペーサーです。というのも、本来であれば、薬のボトルから直接口に粉末状の薬を吸入するはずが、一度吸入補助具の筒の中に薬が入ります。その筒の中で、薬が浮遊している状態を数回に分けて吸入する。ということですが、筒に静電気が発生していたら、筒自体に薬が付着して吸っても薬は喉に入ってこない。という事になるのです。

という事で、エアロチャンバーはちょっと特殊な方法で洗います。中性洗剤で筒に膜をはって、静電気が発生しないようにするのです。
※洗い方は「エアロチャンバー洗浄方法(PDF) 金沢大学薬学部薬局HPより」が分かりやすいです。

しかしながら、ネブライザーはモクモクと煙がマスクから出てくるので、薬を吸っている実感があるものの、エアロチャンバーにはその実感がありません。確かに「弁」が動いているので空気の流れは目に見えますが、それイコール「薬を吸えているか」ではありません。

 

ネブライザーからエアロチャンバーに変更した理由

time-371226_640

娘は3才の時に喘息発作が止まらなくなり、一度入院をして、それから毎日ネブライザーでパルミコートを吸入するようになりました。当初は1日2回の吸入。幼稚園に行く前、朝ごはん前に吸入。そして夕方または夜寝る前に吸入。この1日2回は、私にとって時間的に、結構な負担でした。

まだ3才だったので、抱っこしてマスクを口に当ててあげる。または、マスク持っててね。と言って自分でさせる。10分かからないと言っても、毎日毎日だと、結構な負担です。特に朝は、お弁当や朝ごはんの準備をしたい。

そして、たまにある地震で思い出すのは、災害時の事です。電気が使えなくなったら、どうしたらいいんだろう?

という事で、当時のかかりつけ医に相談して、薬をパルミコート薬液からフルタイドに変更し、エアロチャンバーを購入しました。ステロイド自体の薬量は変更なしです。

 

余談:エアロチャンバー、アマゾンで買うと5000円くらいしますが、病院で買うと3000円弱だったりします。私は病院の売店で2900円で買いました。購入予定の方は、かかりつけのお医者さんに相談をオススメします。小さいクリニックで、そこでは売ってなくても、近くの病院の売店なら売っている場合が多いです。

※2017年8月28日追記:yahoo、楽天でみたら、小児用でも3500円くらいでした。あれー?安くなったなー!

 

エアロチャンバーの使用心地は、快適そのもの

kermit-383370_640

エアロチャンバーを使って、本当に時間的に楽になりました。朝も10分が1分に。お手入れも時間がかからず簡単
※ネブライザーは、1回使用する度にマスクと薬液ボトルを洗う必要があります。でないと、残った薬が固まって噴霧できなくなるし、衛生的に問題だからです。マスクもほっとくと黄ばんできます。エアロチャンバーは1週間に1度洗浄です。

時間に余裕ができる事は、気持ちの余裕にもつながります。
また、持ち運びも楽になりました。荷物も少ないし軽い。また、取扱いも機器類としての壊れ物扱いでない

 

 

が、しかし、ここで困った事が発生します。

娘の発作が再発したのです。

 

結局、むすめが使っているのはネブライザー

idea-1014012_640

エアロチャンバー使用中から気になっていた、筒の中の白い粉。中性洗剤を使って、静電気が発生しないように、筒に薬が付かないように気を付けていましたが、もしかしたら、中性洗剤の膜がうまく貼れていなかったのかも?と思い、何度か洗浄方法を試し、かかりつけのお医者さん(2箇所、2人)にも相談しました。が、私の使用説明に気になる点もなく、その方法であれば通常はOK。と言うことでした。

 

が、やっぱり気になる「筒の内側にうっすらと見える白い粉」。調べたら、「口から吸い込まれない不要な粉末(大きな粒)が、うっすらと筒の中に残る事がある」というのが見つかりました。

 

なんだー、じゃ、いいや。と思ってそのままエアロチャンバーを使っていましたが、エアロチャンバー使用から1ヶ月後、娘の発作が止まらなくなりました。

 

もしかしたら、単にタチの悪い風邪を引いたのかもしれません。または、フルタイドが合わなかったのかもしれません。もしかしたら、ネブライザーを使っていても、同じ結果だったのかもしれません。もしかしたら、発作の再発はエアロチャンバーは関係ないかもしれません。

 

でも、ずっと落ち着いていた娘の発作が再発したタイミングが、エアロチャンバーに変えて1ヶ月という微妙な時期だったので、疑わしきは罰せずではなく、思い切りごめんなさいして箱にしまいました。
こんな所でカケに出るわけにはいきません。私には確実性が必要なのです。
という事で、もう少し、娘が大きくなったら使うかもしれませんが、結局のところやっぱり頼りにしているネブライザーです。


 

 
関連記事

喘息の子どもが毎日の吸入をやめたがった時に伝えたこと

子どもの吸入時間を楽しく過ごす方法。ネブライザー使用、約10分間の場合

喘息のステロイド吸入とアレルギー抑制薬はいつまで続けるか

子どもの喘息にオススメのネブライザー(吸入器)。その必要性と選択のポイント

喘息にステロイドは必要?副作用は心配ないの?2年以上毎日ステロイド吸入している娘の経験からまとめ

その他喘息についての記事はこちら → 喘息

 - 喘息