喘息にステロイドは必要?副作用は心配ないの?2年以上毎日ステロイド吸入している娘の経験からまとめ

      2017/06/19

今5才の娘は、毎日寝る前にステロイド(パルミコート)吸入をして、抗アレルギー薬(シングレア)を飲むのが日課です。これは、娘が3才の時に喘息発作&急性気管支炎で入院した時からずっと続けてきました。なので、もう2年以上、毎日ステロイドを吸っていることになります。

「ステロイド」と聞くと、やっぱり何人かの人には、「それ大丈夫なの?」「早く止めた方がいいんじゃない??」と言われます。特に、年代の高い方に多いです。ではなぜ、その不安要素になりえる「ステロイド」を使用した治療を、2年以上毎日続けているか、その効果と必要性について、私が思うところをまとめてみたいと思います。

 

もしお子さんが喘息で、日々のステロイド吸入って必要なのかな?副作用は心配ないの??と疑問に思っている方はぜひ、読んでみてください。特に、お子さんが既に何回も発作を経験している方はぜひ、喘息の治療の基本を知って早めにお医者さんに相談してみて欲しいです。というのも、私は娘が喘息になった時に喘息について何も知らなくて色々と不安だったし心配でした。その時に、以下のような喘息治療の基本を理解していたら、もっとお医者さんに的確な質問ができて、娘の治療をもう少し早く始められていたんじゃないかと今でも思っています。(子どもの入院は親の責任?喘息確定した娘とこれから親に必要なこと

 

ですので、誰か同じ様な状況にある方が、この記事を読むことで少しでもその不安・心配が軽減されると嬉しいです。

 

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はじめに、喘息について確認

喘息ってどんな症状?

一言で言うと、「気道の炎症」です。

喘息は、気管支などの空気の通り道(=気道)が、炎症によって狭くなる病気です。喘息の気道は、炎症によりたばこや冷たい空気などの刺激に過敏になっていて、反応が起こりやすくなっています。ちょっとした刺激で気道が狭くなって息苦しくなったりします。

ぜんそくとはこんな病気:喘息の総合情報サイト(グラクソ・スミスクライン株式会社)

つまり、気道が火傷してヒリヒリしている状態です。海に行って日焼けした事、ありますよね。私は迂闊にも、日焼け止めを塗らないで1日海辺にいた事があります。すると、肌が真っ赤になって、お風呂に入るのも激痛、次の日、日光に当たるのも痛い!何しても痛い、、、涙、、、。と言う事がありました。喘息さんは、気道がその火傷してヒリヒリしている状態なのです。

 

ほっておくとどうなるか

炎症を放っておくと、気道の粘膜に変化が起こり、気道が狭くなったまま元に戻らなくなってしまいます。したがって、喘息は早期に治療を開始することが重要です。

ぜんそくとはこんな病気:喘息の総合情報サイト(グラクソ・スミスクライン株式会社)

私は足に大やけどをした事がありますが、その痕は未だに消えません。小さい時は、その痕がひどくて、皮が引きつっていましたが、大人になって痕はだいぶ薄くなり、皮の引きつれも大分目立たなくなりました。でも、やっぱり痕は残ります。喘息さんも、気道の炎症を早く治療しないと、形が元に戻らなくなります。この、気道が狭くなったまま元に戻らなくなる状態を、リモデリングといいます。

 

喘息の正体は気道の慢性炎症です。発作がおきたときだけ薬を使って、毎日の気道の炎症治療をおこたっていると、気道がますます敏感になり、発作をくり返すという悪循環におちいります。その結果、気道壁が厚く硬くなります。これを「気道のリモデリング」といいます。気道のリモデリングは、喘息の難治化につながります。 ※リンク先に図解あります。

治療しないとどうなる?:チェンジ喘息!(アステラス製薬)

 

つまり、喘息と確定したら(というのは、喘息は検査してすぐに分かるものじゃありません。診断までに時間がかかります。)、後々の悪化を防ぐためにも早めの治療開始が望ましいという事です。

 

 

喘息の症状に合わせて、治療は2パターン

では、どんな治療をすればいいのかですが、喘息にも段階によって、色々な症状がありますね。が、ここではざっくり。発作時の治療と、慢性的な炎症の治療の2つについて説明します。

 

発作時の治療(気管支拡張剤を使用)

これは、発作が起きたときに子どもを抱えて病院に駆け込むと、必ずしてくれる「気管支拡張剤」の吸入(大体において、メプチンが使用されています)です。なぜ吸入かというと、効き目が早い!!からです。なんといっても、5分位マスクを持って吸入している間に、どんどん呼吸が楽になっていくのが分かります。

しかしこれは、起きてしまった発作をしずめるための治療で、根本的な解決になりません必要なのは、気道の炎症そのものを治す事です。なので、本当に必要なのは、日々の治療、次の「慢性的な炎症の治療」だと私は思っています。

 

慢性的な気道の炎症を治す治療(ステロイド剤を使用)

喘息を本格的に治療するのであれば、ステロイド薬が欠かせません。これは、直接気道の炎症を治す効果があるからです。

吸入ステロイド薬は強い抗炎症作用があり、喘息治療に欠かせません。
この薬は、ゆっくり、じわじわと効いてくるので効果が出始めるまでに3日~1週間ほどかかり、やめると効果がなくなってしまうので長期間、毎日続ける必要があります。
ステロイドというと副作用を心配する方も多いですが、吸入薬なので気道に直接とどき、内服薬と比べて用いる量が非常に少なくてすみ(約100分の1)、全身への作用が少ない薬剤です。ただし、吸入後は口の中に残った薬を洗い流すためうがいが必要です。※リンク先に図解あり。

発作を予防するための薬(アステラス製薬)

 

また、じゃあステロイドを使ってどんな治療をするかというと、以下です。これは2〜5歳ですが、子どもの治療方法は殆ど同じです。

小児気管支喘息の長期管理に関する薬物療法プラン 小児気管支喘息 治療・ガイドライン2012より

喘息治療の中心は:喘息の総合情報サイト(グラクソ・スミスクライン株式会社)

 

症状によって、ステロイド薬と抗アレルギー薬(シングレアやキプレス等)を使ったり、長時間作用性β2刺激薬(ホクナリンテープ等)を使ったりします。これは、かかりつけのお医者さんに相談です。

(参考:ホクナリンテープが痒い!時は、他の薬も考慮に入れると楽です。メプチンドライシロップなど。

 

 

まとめ

  • 喘息は、気道の炎症である。
  • 喘息と確定したら、早めに治療を開始する必要がある。
  • でないと、気道の形が変形(リモデリング)して治らなくなり、喘息そのものが難治化してしまう。
  • 治療は発作をしずめる治療と、気道の炎症を治す治療の2パターンある。
  • 発作を抑える治療は、気管支拡張剤を使用する。しかし、これは根本の気道の炎症を治す治療ではない。
  • 気道の炎症を治すためには、吸入ステロイド剤を使用する。
  • 吸入ステロイド剤は経口ステロイド剤(飲み薬)に比べて量が1/100と少量である。
  • その少量のステロイドを使用することで日々の発作が起きないようにコントロールできる。
  • 喘息の治療目的は、発作をコントロールし、子どもが通常の生活を過ごせるようにすることである。

 

追加情報

 

喘息治療を本格的にするのであれば、ネブライザーは欠かせません(参考:喘息治療、おすすめのネブライザー(吸入器))。が、お医者さんによっては、ネブライザー購入を勧めることは、なかなかできないそうです。「だって、高いですし。医師から言うと、強制に聞こえたりする方もいらっしゃるので、、、」という事でした。私は娘が喘息と決まって入院している間に、自分で色々調べて勝手に購入しちゃって事後報告でしたので、「ええ!●●さんもう買ったんですか!!?」と言われた質です。

でも、そのおかげで、自宅で吸入ができるとなり、「じゃあ残りは自宅治療でいいですよ。」と退院を早めてもらう事もできました。親が、子どもの喘息を本当に治療したいと考えている姿勢を見せるのは、お医者さんにとっても治療を勧めやすいとの事でした。

現に、どんなネブライザーがいいか、かかりつけのお医者さんに聞くと、喜んで色々詳しく教えてくれました。お医者さんによっては、いつ本格的に治療(発作のコントロール)を始めるといいか、伝えるのを迷っているようです。それは、年月もかかるし、お金もかかる(初期投資)し、何より、途中で辞めてしまう人も多いからです。そして、そういう人はそのクリニックや病院に来なくなるのだそうです。

 

喘息治療は、長いです。数年かかります。毎日の吸入に、飲み薬。アレルゲン除去のための掃除洗濯。外でタバコを吸ってる人がいたら、口を押さえて足早に通り過ぎます。外泊にはネブライザーが必須(参考:喘息の子どもと、旅行や帰省する場合の準備物)。多い時には朝晩10分ずつの吸入。準備も含めて、1日40分位は吸入に時間がかかります。忙しい朝に10分取られるのは、正直大変です。特に朝が苦手な私にとって、幼稚園前に10分毎日毎日吸入するのは、かなりの心理的時間的負担でした。でも、その甲斐あって、発作が出やすい秋も、今年は1度も発作が起きていません。発作がないという事は、子どももノビノビ遊べる!という事です。

治療前には、初めての遠足も、運動会も行けなかった娘。いつ発作が出るか心配で、発作が出て夜中に抱っこして救急に駆け込んだことも何回かあります。でも、風邪を引く度にゼーゼー言ってた娘も、しっかり治療をすれば、運動会だって遠足だって行けました。幼稚園を休まなかった月も数回あります。

発作を経験していて、まだ治療に踏み切っていない方。ぜひ、かかりつけのお医者さんに相談してみてください。しっかり治療する事で、得るものはイメージしているより大きいと思います。

 

 

参考サイト:

 

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