こどもの喘息。パルスオキシメーターの選び方と使い方、その必要性について

      2017/06/19

娘も5歳になり、日々の喘息コントロール(ステロイド吸入と服薬)を始めて、はや2年が経ちました。乳幼児の時から、風邪をひくと咳が長引くなーと思っていましたが、3歳の時に喘息発作が何度も起こるようになり、夜間救急に駆け込むこと何度も。そのうち発作が止まらなくなって入院になりました。

その時に痛感したのは、「喘息についてもっと知識をつけるべきだった!!」ということです。といっても、「娘さんは喘息です」と言われたのは初めて発作が起きてからで、入院まであと数日カウントダウン、という状態だったので、時既に遅し。でしたが、、、。

その後、入院や日々の治療、時々おこる発作、友人の経験談などより、「小児用パルスオキシメーター」を購入しました。病院に行くと、指につけて、血中酸素濃度を測るあれです。

喘息治療に必須のネブライザー(子どもの喘息にオススメのネブライザー(吸入器)。その必要性と選択のポイント)とは違って、パルスオキシメーターは喘息に必須のものではありません。自宅になくてもかまわない。でも、あると私は安心です。発作の時や、風邪を引いて調子が悪そうな時には、数値を測って様子をみたりもします。

ここでは、パルスオキシメーターとは何か、またその使い方や選び方、使用上の注意点(私がはまってしまった例)、そして結局のところ、必要なのかどうかについてまとめました。

 

 

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はじめに

パルスオキシメーターとはなにか?

サチュレーションモニターとも言われます。血中の酸素飽和度を測定する機械です。

パルスオキシメーター(pulse oximeter)とは、プローブを指先や耳などに付けて、侵襲せずに脈拍数と経皮的動脈血酸素飽和度(SpO2)をモニターする医療機器である。モニター結果を内蔵メモリーに記録できるものや腕時計のような小型のものもある。 (ウィキペディア:パルスオキシメーター)

 

パルスオキシメーターは、血液の酸素供給が正常に行われているかどうかを、リアルタイムで測定できる医療機器です。
生きるために必要な酸素、健康であるために必要な酸素が、充分に体に供給されているかどうかを確認するために酸素飽和度は測られます。(コニカミノルタ:パルスオキシメーター知恵袋)

 

使い方(使用上の注意点)

指に洗濯バサミのようなものを挟んで計測します。洗濯バサミのように痛くはなく、なんか挟まれてるなぁ、、、という程度の圧迫感です。

洗濯ばさみはプローブあるいはセンサーと呼ばれますが、その内側には赤色のLEDがあり、その光を爪に当てることにより、指の内部の動脈に含まれる酸素の量を採血することなく、リアルタイムで測定できる(コニカミノルタ:パルスオキシメーター知恵袋)

ただし、マニキュアはNGです。測れません。娘はやっぱり女の子、、、マニキュアが好きでちょくちょく塗ってます。が!!発作で病院に行った時にマニキュアが塗ってあって、数値が測れませんでした。それ以降、手でも足でも、どれか指一本だけはマニキュアを塗らないで残しておくこと!という約束をしました。

 

正常値はどのくらい?

安静時での健常者のSpO2値は96%~98%の範囲にあると言われています。
90%を切ると呼吸不全と定義されます。
しかし、SpO2値は呼吸の仕方、姿勢、動作のその時の状況などで変化します。
(コニカミノルタ)

 

正常値は97%から100(環境再生保全機構:喘息などの情報館)

 

まぁ、だいたい96〜100%ということですね。

 

使うタイミング

私がパルスオキシメーターを買ったのは、娘の入院がきっかけです。入院中に、指先に指サックみたいなものを付けて、血中酸素濃度を測ってる機械がありました。大体、「95」「96」あたりが表示されていて、この値が「95」以上に落ち着かないとそこの病院では退院できない、と言われました。

寝てる時は下がりやすいので、起きている時に97とかあっても、昼寝や就寝時に94~95あたりに落ち込んだりします。ちなみに、入院直前に測ったときは、値が「94」でした。

ということで、私が使っているタイミングは以下です。

【数値を確認するタイミング】

  • 発作が起きているとき
  • 発作が起きる直前
  • 発作後まだ状態が落ち着いてない時
  • そもそも発作でなくても日常生活において喘息の状態が芳しくない時など

 

 

おすすめはどれ

小児が使えるものを

子どもの治療用なので、小児用を選ぶ必要があります。大人用は子どもにとって大き過ぎて使えない場合がありますので。
でも、大人も使えるといい!!ということで、私が選んだのはこれです。

 

この商品は小児が使えて、大人も使えます。小児用はあまり種類が多くなく、かわいいものもあまり無いですが、これは動物のデザインで子どもも気に入って使っています。わが家は黄色いクマさん。小型で持ち運びも便利です。

そして。看護系の仕事をしてる友達に「パルスオキシメーター買ったんだー」と言うと「えー!!高いでしょ!!?」と言われましたが、この値段を言ったら「あれ?意外と安いね。」と言われました。そう、ごつい医療系より断然価格は低いし、コンパクトで使い易い

 

ということで、最近は娘の喘息も落ち着いてきたので、1泊2日の旅行程度には持って行きませんが、1週間程度の帰省などにはいつも持って行きます。荷物にならないので気になりません。

ちなみに、1歳児のひとさし指には多少大きいですが、足の親指なら問題なく測れます。計測時間も数秒です。なので、動く子どもを抑えつけて!という状態にもならず、親も気持ちが楽です。この機器を使う状況は、ただでさえ親は心配して気持ちが落ち着かない訳ですから、時間をかけずに測定できるのは有難いです。

 

正確さはいかほどか。

このパルスオキシメーターは、確かに、病院でのごっついモニターに比べると、精度が劣ります。誤差1%程度。そもそも、病院のは100%まで表示されるのに、これは最高99%までです。

でも、そこまで測れれば問題ありません。目的は、体の異常を発見することですから。私にとって、1%は誤差の範囲と割り切ってます。

 

 

2年間使ってみた結果

喘息以外でも意外に役立つ

この機器を必ず使用したのは、娘の喘息発作時です。上に記載した「使うタイミング(黄色の枠)」にまとめましたが、でもそれ以外にもたまに使う事がありました。

最近では、2歳息子が風邪であまりにも咳が酷く眠れない時、もしかしたら発作なんじゃないかと心配になって(弟も、たまに喘鳴がでる喘息予備軍です)、暗闇でコソッと測ってみたり。結果、最高数値をみて「なんだ、元気じゃん!!」安心できたり。咳があまりにも長引いて、深呼吸ができいない状態の、自分自身の数値を測ってみたり(結局、咳喘息という結果になりました)。

なんだかんだ、あればあったで重宝してます。

 

数値をみることで得られるもの

こちらは予期してませんでしたが、やっぱり「数字」の力は強いです。感覚値でしか分からないものが、「数字」として表れるとそのインパクトに驚きます。娘自身、自分の数値をみることで「私、まだ大丈夫なんだ!」と元気づけられている事もシバシバ。

喘息は苦しいですね。特に、何度も喘息発作を経験していて入院経験もある小さい子は、発作がでるとすごく不安がります。親も不安ですが、娘はもっと不安そうです。また入院になるんじゃないか、お母さんと離れるんじゃないか、咳が止まらなくって息ができなくなるんじゃないか。

本当は大した咳じゃないし、単なる風邪でなんともなくても、入院後はとても不安そうでした。そんな時、「ほら、こんなに体は元気だから大丈夫!」と見せると、安心した顔を見せてくれます。(※実際は血中酸素の値なので、元気と言うのとは違いますが、まぁ、見逃してください。)

ということで、不安を払拭する手立てとして使うには、結構使えるかもしれません。

 

必要性について

じゃあ、実際のところ、あればあったで重宝するし、不安も払拭できるかもしれないけど、本当に必要なの??という点について。

私としては、正直、このパルスオキシメーターをまだ上手く使いこなせていないと思っています。使ってみて、「96〜99」という数値を見て、「ああ、大丈夫だった。」と安心する安心材料にはなるものの、この数値に振り回される危険性を見逃せません。

何故かと言うと、測る状態によって数値は変わりますし、値が低いからといって、そこまで心配しなくて良い時もあるからです。値が94%だからといって、直ぐ入院する程酷い状態でない時もありますし、96%あったのに、入院になってしまった。。という事もあります。

ですので、あれば便利ですが、あまりこの値に惑わされないように上手な使い方をしないと、数値が下がっただけで「どうしよう!大変だ!!」と不安に陥ってしまいます。私が、まさにそんな状態になりました。

 

寝ている時は、値が下がりやすいです。風邪で呼吸が苦しい状態はなおさら。そんな時に、正常値「95以上」よりも低い「94」なんて見ると、心配になります。

もしかしてパルスオキシメーターが壊れたのかも?と思って弟を測ると「99」あって、「あああ、やっぱり大変だ!娘は発作なのかも!これは夜間救急に行くべきかもしれない!!」と不安になって、夜10時ぐらいに救急にいって、その時は数値が落ち着いてて「98」あり、なんだ、結局なにもないじゃん、、、。お医者さんごめんなさい。という、心配性な親を演じてしまった事もあります。

まあ、何事もなかったから良いといえば良いんですけど。無駄に心配になる材料として使ってしまうのであれば、使わない方がいいのかも、という気もします。そもそも、喘息の人がみんな持っているものじゃないですもんね。

 

 

オススメの人

では。どんな人にオススメなのか!についてですが、結局のところ、使い方に慣れればやっぱり、あると便利です。私は、何度か数値に振り回されてしまいましたが、だいぶ慣れてきたので、ある程度はちゃんと使えるようになったと思います。ということで、以下は私の感覚的な所感ですが。

 

【パルスオキシメーターを持っておくといいと思う人】

  • あまりにも喘息の状態が芳しくなく、体の状態を把握したい人
  • 発作がちょくちょく起こっていて、前もって体の変化を察知したい人
  • 数値に惑わされないでしっかり、子ども本人の状態を見て判断できる人
  • 安心材料として、あると嬉しい人。←私はこのパターン

 

 

ここに当てはまる場合は、パルスオキシメーターを買ってもといいと思います。小児用が1つあれば、家族全員使えますしね。
※のちに、私が咳喘息と判明して、ちょくちょく私が使ってました。

私が実際に買ったのは以下ですが、喘息が重い友人も実は同じ物を持っていたことが判明。意外に人気商品なのでは、、、?と勝手に思っています。黄色いクマさん、ピンクのクマさん、緑のカエルさんの3種類あるパルスオキシメーター、おすすめです。少しでも、気分が明るくなりますよ★

 

 

参考情報

 - 喘息