自分の身をどう守るのか。子どもが騙されやすい理由を考える~『リトル・マーメイド』『日本では教えてくれない人生で大切なこと スペイン人神父の教育論』

      2016/08/05

数ヶ月前から、娘がディズニーのプリンセスに夢中になっています。中でも、人魚姫のアリエルが活躍する「リトル・マーメイド」は格別です。歌も素晴らしいし、映像も綺麗。私も小さいころにたくさん見たし、つい一緒に観てしまう、オススメの作品です。

 

『リトル・マーメイド』(原題:The Little Mermaid)は、1989年11月17日に公開されたディズニー映画。日本での公開日は1991年7月20日。

ストーリー
地上に憧れる16歳の人魚姫・アリエルはある日、海上を航海していた船に好奇心を抑えられず覗き込んで、同乗していた王子・エリックに一目惚れしてしまう。
父王のトリトンを始め周囲からの反対を受けながら、益々地上への憧れやエリックへの恋心を募らせるアリエルに目を付けたのは、海の魔女・アースラだった。アースラはアリエルに「その美声と引き換えに3日間だけ人間にする」間に、「アリエルがエリックとキスを交わす」という賭けを持ち掛けた。賭けに負けた時は、アリエルの身柄は一切がアースラのものになってしまう。アリエルの賭けを失敗させ、その身を取引材料としてトリトンに取って代わろうと企んだのだ。  Wikipedia リトル・マーメイドより

 

 

だますってなに?

さて、ここで、何回も何回も見ていて、気になってきたのは、娘4歳が「アリエルがだまされている」と言う事に気付いていないことです。特に、「リトル・マーメイド2」の方では、アリエルの娘のメロディが魔女の笑顔に簡単にだまされて魔女をいい人だと勘違いしてしまいますが、4歳児には全く違和感がないようでした。それを思わせたのが、

娘「お母さん、なんで、魔女は最初優しいのに、あとで怖くなるの?」
私「笑って、だましてるからだよ。本当は最初から怖い人なの。」

娘「だますってなに?」
私「嘘をつくことだよ。」

娘「どうして嘘をつくの?」
私「アリエルを自分のものに 云々、、、」

 

と、続くわけですが、結局の所、娘の理解は消化不良になり、

「魔女が最初優しかったのは、そういう気分だったからだよ!」

という結論に至ってしまいました。
「そういう気分って!!!??なんなの!!?(母、心の叫び)」

 

表情の影には思考がある

そういうこともあり、次第に気になるようになった、「本当の考えと表情の差」について。

年中さんくらいの子どもは「本当の考えと表情の差」、「その差」を理解することは結構難しいんじゃないかと思います。動物と人との決定的な差は「笑うこと」とよく聞きますが、この「笑うこと」はかなり曲者です。別に、面白いから笑うだけじゃないですし、悲しいから泣くかというと、悲しい時だって笑う事もある訳です。

優しいから笑うわけでもないし、顔が怖いから怖い人というわけでもありません。現に、私の父は顔が怖い。睨まれると慣れてない人はかなり怯えてしまうんじゃないかと思う程、睨みが利いています。娘は小さい頃は、目が合っただけで泣いて逃げていました。でも、実際は優しい(部分もある)です。

 

じゃあ、子どもはいつからその「気持ちと表情の差」を理解できるようになるのか。ここが分からないことには、いくら知らない人に用心するように伝えても、顔の怖い人は怖いし、優しそうな人は優しいからまぁ大丈夫。とか思ってしまいそうです。現に、幼児や小学生の連れ去り事件などは後を絶たないわけで、そういう事件をニュースなどで見るたびに、うちの子にはどうやって教えればいいのかな?と考えてしまいます。

 

騙されない教育について

こんな時に、ちょっと面白い本を見つけました。

アマゾンの評価はいまいちですが、私としては結構面白かったです。興味深かった点は色々ありますが、このテーマを考えさせられる内容もありました。

ヨーロッパには次のような諺があります。
「病気になってから治すよりも、予防のほうが大切です。」 (p175)

スペインのみならずヨーロッパの学校では、小学生のうちから、「人に騙されないような人間になる」ための教育も実施しています。
セールスマンが家を訪問して、「この薬は、美肌に効くたいへんいい薬ですよ。(略)」と、言葉巧みに勧誘しても、「どこの、何という医者の保証があるのですか?」と用心し、場合によってはその医者に連絡し、確認してからでなければ商品を購入しない、といったようなことを学校で教えているのです。

ですから、日本で起きている振り込め詐欺といった事件は、ヨーロッパではめったに起きません。(p176)

日本では教えてくれない人生で大切なこと スペイン人神父の教育論

 

そう、この「人に騙されない人間」というのは、かなり重要です。とある友人は、「知らない人を見たら泥棒と思え!」と親に教わった。と言っていましたが、そこまで極端でなくとも、やっぱり「人を疑う」という視点は子どもを育てる上で大切なんじゃないかなと思いました。

できれば、のびのび人を疑わず明るい気持ちで過ごして欲しいのは山々ですが、そろそろ見た目も可愛い女の子になってきたし(親バカごめんなさい)、最近多い性犯罪の事を思うと、自分で自分を守る教育の重要性が頭から離れません。

 

これからどうすればいいのか

じゃあ、今後どうすればいいのか。ここがいまいち、まだ明確な解答に至っていません。(ここまで書いておいて!!)

ただ、初めの一歩として、日常生活の中の、「顔の表情」と「本当の気持ち」は、いつも同じではない。という事例を考えることから始めたいなーと思いました。

  • 悲しいけど、心配されたくないから、頑張って笑う
  • 本当は悲しくないけど、かまって欲しいから、わざと悲しい顔をする
  • あんまり美味しくないけど、お母さんが頑張って作ってたから「美味しいよ」と言う など

2才の子どもでも、かまって欲しくてわざとションボリして見せたりします。影でニヤッと笑っていたりも、、、。それは、計算しているのかどうか、天性のものなのかは分かりませんが、表情と考えを別にコントロールできているわけです。なので、もう幼稚園年中さん、年長さんになってくると、この「表情と思考を別々にコントロールする」と言うことは、だんだんと分かってくるんじゃないかと思います。

今はまだ、リトル・マーメイドの理解にちょっとした不安が残る娘ですが、これが、「ああ、魔女は笑顔で人魚をだましてるんだ!」と分かる日が来るのを楽しみに、一緒にお茶でも飲みながら映画を楽しみたいと思います。

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