飛行機に乗るのが怖い〜でも交通事故では毎日誰かが死んでるよ

   

昨日、子どもたちと、今年の夏はいつ高知に行こうか〜(私の実家が高知なので)と話していると、ふと5才の息子が
「でも、飛行機は落ちたら怖いからなぁ、、、」

とつぶやきました。そうだよね。この前、ニュースで飛行機事故についてやってたしね。

でも、ちょっと待って!本当に、飛行機は落っこちるのだろうか。いや、もちろん、事故の時は落っこちます。でも、飛行機事故って、毎日ニュースでやってないよね。たまにあると、世界中でニュースになって、色々なメディアに掲載されて、大勢の人が亡くなって、、と大々的に知らされます。

が、一方で、ただニュースにならないだけで、毎日誰かが交通事故で亡くなっていること、ご存知ですか?意識した事ありますか?私は日常では忘れてますが、、、

 

1日1人以上亡くなっている交通事故

私は神奈川県在住なので、まずは神奈川県の情報から見てみましょう。

2019年5月16日/神奈川県交通事故発生状況

神奈川県警察 交通事故発生状況、1交通事故日報(概数)より

 

警察署の前には掲示板がありますが、よく、その警察署が所属する県の「前日、交通事故日報の件数」が掲示されています。

たまーに警察署の前を通って、その「死者数」の欄が「0」をなっているのを見た時は、「おぉ〜!今日は0だ!」と驚きつつ嬉しくなってりして。実は多くの人があの数字を見ているんじゃないかなと思います。

 

さて、飛行機に乗っていて事故にあう割合と、自転車に乗っていたり、歩道を歩いたり、車に乗っていたりして事故にあう割合と、どちらが高いのでしょうか。

それはもちろん、交通事故の方が割合が高いのです。

ちょっと暗くなりますが、、平成30年、日本では何人が交通事故でなくなっているかと言うと

平成30年中の交通事故死者数について(報道発表資料の概要)

30年中の交通事故による死者数は、3,532人(前年比-162人、-4.4%)で、警察庁が保有する昭和23年以降の統計で最小となりました。

警察庁「平成30年中の交通事故死者数について」より

ええと、ザクっと計算すると 3,532/365=9.676... 四捨五入して9.7人/日です。
(H30は、10万人あたり2.79人。政府統計の総合窓口(e-Stat)より)

 

ニュースにならない事故

先日、大津市で保育園児が巻き込まれる事故(2019年5月)がありました。その数日後、今度は愛知県で。4月には池袋でも母子が亡くなっています。こんな報道を見ると、胸が苦しくなります。私にも子どもがいて、子どもを亡くした人達の気持ちを考えると、苦しくなるからです。

一方で、なぜこの事故を全国のみんなが知っているかと言うと、ニュースになったからです。

じゃあ、1日10人近く亡くなっている人たちについては、どうしてニュースにならないのでしょう?それは、話題にならないからです。最近よく思うのは、ネットでのPV(ページビュー)稼ぎが酷すぎるという事。TVもですが、やっぱり多くの人に見てもらわないといけないから、みんなが興味を持つ話題でないとニュースにならない。

とくにネットに関しては、私も含め多くの人がブログを始めていますね。話題のトピックを集めた、多くの人の興味を引くためのサイトなんて、乱立し過ぎて目眩がするほどです。

こういう、話題のトピックを集めたサイトは、いかにPV(ページビュー)を多くするか、いかに多くの人に見てもらうかで収入が変わるので、みんなの共感を得るために様々な手法を使っています。

と言うことで、つまり、共感されない話題はみんながあまり見ないので、ニュースにならない訳です。となると、「どこどこのおじさんが車とぶつかって救急車で運ばれた」なんてのはニュースになりません。子どもは大勢の共通の話題なので(私が胸が苦しくなったように)、ニュースになります。

 

一歩引いて考える姿勢を身につけたい

もとい、話は5歳児に戻ります。で、もともとはなんだったかと言うと、「飛行機、落ちたら怖いからなぁ、、」という息子のつぶやきです。はい。

では、交通事故で亡くなる可能性は10万人あたり2.79人ですが、飛行機はというと、

アメリカ国家運輸安全委員会 (NTSB) の行った調査によると、航空機に乗って死亡事故に遭遇する確率は0.0009%であるという。アメリカ国内の航空会社だけを対象とした調査ではさらに低く0.000034%となる。

wikipedia「航空事故

ざくっと言うと、1100万分の1といったところでしょうか。ちょっと、1次ソースを調べる気力がないのでwikipediaさんですみません。。

交通事故が10万人のうち2.79人、飛行機が1100万人のうち1人とすると、やっぱ高知への帰省は飛行機で決まり。ですね。

と、いう話をざっくり大まかに息子に説明したら、「じゃあ飛行機で行こう!」と安心したようでした。私はこの話題を前々から知っていたので、息子が「飛行機ってちょっと、、、」となった時に説明できましたが、知らなかったら「そうだねぇ〜」と「どうしたもんかな」と思っていたかもしれません。

でも、よく考えると、「車や電車(国内の鉄道事故も1日1人くらい亡くなってる)よりも飛行機が安全なんだよね。まぁ、事故にあったら割合とか関係ないけど。」という事に気づいたのかもしれません。

とりあえず、常に、ちょっと立ち止まって、落ち着いて、一歩引いて考える姿勢というのを、私も子どもも持っていたいなぁと思ったのでした。

 

おまけ:飛行機事故、高速道路事故の割合を考えたきっかけ

ダスティン・ホフマン、知ってますか?あの渋い俳優です。

彼が主演の『Rain Man』直訳すると雨男。だけど、邦訳は『レインマン』。レインマンはニックネームみたいなものなので、「雨」とは関係ありません。(余談)

私は妙にこの映画が好きで、中学生の頃から何度か見ています。

この中で、ダスティンが言う言葉。

  • 飛行機は危険。1987年、30路線で事故、211人死亡。230人が事故。
  • アメリカン航空625便、1976年4月墜落。
  • コンチネンタル航空1713便、1987年11月15墜落。死傷者28人。
  • デルタ航空L1011便、ダラス-フォートワース行、1985年10月2日強風に煽られ墜落。
  • 全社で135名の乗客。全社で事故発生、1度又は複数。
  • カンタスは墜落してない。

他にも高速道路についても数字を列挙して、いかに高速道路が危険かを話すシーンがあります。中学生の私には、ちょっと驚きの場面でした。「え!そんなに事故って起こってるの??」

知らないだけで、事故は身近にあふれているのでした。

 

レインマン、いいですよ。観た事ない方は、ぜひ観てみてください!

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