ひとり旅の大冒険。『でんしゃにのって』とよたかずひこ

      2017/05/30


娘が3才の時に買った本、『でんしゃにのって』。最近2才の息子が好んで読むようになりました。

ももんちゃんシリーズで有名なとよたかずひこさん。このかわいい絵柄が大好きで、ももんちゃんシリーズは全巻読破(私が)し、他のシリーズもことあるごとに図書館で借りたり自分で買ったりしています。

 

 

で、最近「でんしゃにのって」を読んでいて、ふと2才ぼうやに聞いてみました。

「ねーねー、Bくん、ひとりで電車乗れるかな?」

答えはもちろん!!

「Bねー、むりだよ!!こわいもん!!ママといっちょにのるの。うららちゃん(本に出てくる女の子)はすごいねー!!」

 

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この『でんしゃにのって』のストーリーは、表紙にいるちっちゃな女の子が、おばあちゃんへのお土産を持って電車に乗るところから始まります。

途中、わにさん、くまさん、ぞうさん、うさぎさん、へびさんが一駅進むごとに乗ってきて、同じベンチ席に座っていく。で、自分の降りる駅で降りて、お迎えに来ているおばあちゃんのところに走って行きました。という、こうやって書くと身も蓋もないような、なんとも単純で大したイベントがないように聞こえる内容なわけですが。

こどもにはこれが大冒険なのです!!!

 

ということを、最近まで忘れていました。

電車もので、ひとり(+ぬいぐるみ)でおつかいにいく絵本に『コンとあき』という本があります。

こちらも、小さな女の子が同じように電車にのっておばあちゃんに会いに行くお話ですが、話としてはこっちの方が何かしらイベントが起こるので、ドキドキして読めます。が、大したイベントがないように見える『でんしゃにのって』だって、2才ぼうずにとっては大冒険なのです。

5才の娘にとっても、やっぱり大冒険です。だって、そもそも1人で遠くに出かけたことなんてないんですもん。最近は怖い事件も多いので、スーパーで1人でトイレなんてのも行けません。私は人口数万人の田舎で育ったので、保育園時代から自転車にのって1人で1kmくらい離れている友達の家までちょくちょく遊びに行ってました。周りは大体知っている人たちなので、何かあっても誰かしら気づいて、「あらあら、◯◯さんちの××ちゃんどうしたの?」となるので、親も安心してたのでしょう。

でも、ここはちょっと都会。電車も高速も通ってるし、人口だって多い。数件先ならまだしも、10〜20件先になったら名前も知らないおうちばかり。そんな中、迷子になったらどんなに心細いでしょう。知らない人たちの中で、1人ぼっちになるってことは、小さいこどもにとったら恐怖です。いや、こども全員じゃないですが。多くのこどもにとっては。

 

ということで、「知らない人しかいない電車に、ひとりで乗る。なんて、そんなの想像もできないよ!!」というのが、わが家のこどもたちの意見なのでした。そして、私は、それほどこどもにとって、親というのは、大切で無くてはならない、自分を守ってくれる頼れる存在なんだ。というのを、ちょっと忘れていました

 

他人から見たらあまりにも酷い親でも、こどもにとったらその親しかいない。このことを考える時、川口で起こった事件を思い出します。この事件は大々的にニュースになりましたが、こんな大事件にならずとも、親に振り回されているこどもは多々いるでしょう。

 

 

電車に乗るだけでドキドキして、恐怖を感じるこどもたち。それが楽しい冒険なら言うことなしです。そして、その恐々と周りと伺いながら、頑張っているこどもたちが頼れる先は、やっぱり親や保護者です。私は2児の母親ですが、「そうそう、そういえば、私ってそんな責任重大な存在なんだった。」と気分新たに背筋を伸ばして(ある程度、無理しない程度にね)、子育てに向き会おうとおもいました。おしまい。

 

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個人的にお勧めの本(とよたかずひこさん)

●おふろやさんシリーズ
とくに、お風呂をいやがる時期にオススメです!!

●ももんちゃんシリーズ
日常のちいさなことが、大冒険に見える1〜2才に。5才の娘もいまだに大好きなシリーズです

 - 絵本