喘息のステロイド吸入とアレルギー抑制薬はいつまで続けるか
2017/06/20
2014年の5月からずっと続けている、娘の喘息コントロール。直近では2015年5月に小さい発作が起きてから11月半ばまで発作なしで過ごせていました。
「やったー!順調だ!!」
普段の生活を続けている娘の後ろで、内心ウキウキしている母。
去年は出られなかった運動会も出られたし、行けなかった遠足も行けました。そして、何度も吐いてしまう酷い風邪をひいても発作が出ませんでした。ここまで順調だったのは初めてです。そして半年が経ったので、「そろそろシングレアを止めてみましょうか。」とお医者さんと話したその日の夕方。小さな発作が起きました。
喘息治療の基本
基本、喘息治療は「発作を起こさない」を原則とします。
(詳細はこちらをどうぞ。喘息にステロイドは必要?副作用は心配ないの?2年以上毎日ステロイド吸入している娘の経験からまとめ)
よって、発作が出たということは、薬の量を減らすことはできない、という訳です、、、。あーあ、、。
喘息の治療は2つの軸で進められます。
- 既に起こった発作を静めること
- これから起こるであろう発作を予防すること
日常の治療(喘息コントロールとも言います)は2の「発作の予防」をメインとします。
喘息は発作を起こす度に、炎症した気管の形が固定化されてしまう可能性が高くなります(リモデリング:炎症で変形した気管支の形が、炎症が治まっても元に戻らなくなること)。そのため、発作を起こさせない事が重要です。苦しいですし。日常生活に支障をきたしますし。そして、この発作の予防(1:気管の形を固定化させない、2:炎症そのものを治す)に使われるのが、ステロイド吸入薬です。
娘はこの1年半の間、パルミコートを多い時は1.0㎎/日(小児最大の許容量)、少ない時は0.25mg/日、結局今は0.5㎎/日を毎日続けています。夜寝る前にネブライザー(喘息治療、おすすめのネブライザー(吸入器))で10分弱吸入をして、吸入のあと歯磨き(ウガイをまとめてできるので、私は歯磨きをこのタイミングにします)をして、その後ウガイと顔洗いの際にシングレアを飲む。これが日々の日課です。
おかげで、風邪の際にちょくちょく起きていた発作が殆どでなくなりました。運動会や遠足にも行けました。これは感動的、、、。
まぁ、結局、今日発作が少し出たので、今のパルミコート0.5㎎/日とシングレアをまた半年ほど続けることになりそうですが、、、。
薬を減らすタイミングはいつ?
じゃあ、いつまでこれを続ける必要があるか?
この1年半、何度か減らしたり、ネブライザーではなくてエアロチャンバーにしたり、色々試してみました。薬を減らすタイミングは大体こんな感じです。(お医者さんが考える目安として)
・3か月~半年。発作が起きていない
この3か月~半年の、3か月の差は、それぞれのお医者さんによって考え方が異なりますので、それは直接相談してみてください。
我が家の場合はこんな感じでした。
※パルミコートは1アンプル0.25mg、0.5mgの2種類あります。日々の薬にはパルミコートの他、シングレア(またはキプレス)を1日1本飲みます。以下はちょっと細かいので、読み飛ばして頂いて結構です。
- 2014年5月 喘息で入院。退院時からパルミコート1mg/日(0.5mg朝夕2回)メプチン0.3mg、2回/日を自宅吸入
- 2014年6月 退院1週間後。発作もなく落ち着いているので、パルミコート0.5mg/日(0.25mg朝夕2回)のみに変更
- 2014年6月 パルミコート減らして1週間。発作が再発、止まらなくなる。→1mg/日(0.5mg朝夕2回)に戻す
- 2014年8月 ネブライザーでなく、エアロチャンバーに変更(お手軽。電源いらない)。フルタイド50mg、1日2回。(ステロイド量変更なし)
- 2014年8月 フルタイド変更1週間後、怪しい咳が止まらなくなる。風邪なのか、喘息なのか、、、ドキドキ
- 2014年9月 1週間に及ぶ高熱39-40度、SpO2 90~93。嘔吐。血液検査、レントゲン、尿検査、諸々の結果異常なし。が、熱がやっと下がったら喘息大発作。1週間発作が続き、やっと発作がおさまるも、2キロ減量。
※エアロチャンバーが効果ない訳ではありません。娘に合わなかったのだと思います。- 2014年10月 危うく入院になるのを自宅治療で何とかしのぎ、初めての運動会は不参加。パルミコート1.0㎎/日に舞い戻り。しかも症状が酷かった時はメプチン(気管支拡張剤)もパルミコートと一緒に吸入。1日最大4回まで。
- 2014年12月 パルミコート0.5㎎/日に減らす。
- 2015年12月 この1年、数える程度の小発作が起きるも、日常生活に支障がない程度に収まっている。初めての遠足、運動会も参加できました。涙。そういえば、8月には川崎病で入院しました。
減らしては発作が起き、機器を変えては発作が起きてまた元のネブライザーに変更し、秋になったら発作が起き、春になったらやっぱり発作が起き、酷い風邪で1週間寝込んだと思ったら1週間発作が止まらなくなり、、、。しまいには川崎病で入院。と、いま思えば色々ありました。
でも、死ぬほどの発作ではないから大丈夫です。何度も発作を見たり、ぐったりした状態の看病をしたりするうちに、親も気持ちが据わってきます。
では重要な。薬量を減らすタイミングですが、つまり、
- 発作がない期間が数か月(3ヶ月以上)あれば、少しずづ薬を減らして様子をみます。
- でも薬が足りなそうでまた発作が出そうであればすぐまた増やします。
- お医者さんによっては、なるべくステロイドを長期使うのを控えようとする方もいて、その場合は減らすタイミングが少し他のお医者さんより早いです。1~2か月とか。
- 一方で、小児のうちにしっかりと治療しておきたい派のお医者さんは、半年じっくり様子をみて、そろそろかな?と薬を少しづつ減らして様子を見てくれます。
- そして、このタイミングの見極めがお医者さんの腕にかかっているのです。
治療を早めに止めてしまった場合。または、勝手に親が止めてしまった場合。こどもが入院になる事も少なくないです。
実際、娘が入院していた時にいた向かいのベッドの女の子は、「薬をやめるの、少し早すぎたかなー、、、。」とお医者さんに言われていました。この場合は、お医者さんが止めましょうと言ったのではなく、子どものお母さんが「ステロイドは怖いから、、、」と早く止めたいし、発作がない時は普通だから余計な薬も飲ませたくないです。と、薬を勝手に止めていたという事でした。
喘息コントロールを続ける大体の目安はある?
これは、本当に個人差だそうです。
ただ、娘が初めて喘息で入院したときに、大量に読み漁った喘息に関する本によると、2~3年が1つの目安になっていました。
お医者さんに聞くと、たいてい「小学校に上がる前には一区切り付く場合が多いです」と言われます。小児喘息発症が2~3歳とすると、治療期間2~3年で小学校に上がるくらい。となりますね。
この2~3年を長いと感じるか、短いと感じるか、人それぞれだと思います。確かに、毎日毎日吸入して、マスクを洗って、ひと月かふた月に1回喘息フォローの診察に行く。そしてまた薬を貰って帰ってくる。の繰り返しを何回もするのは大変かもしれません。でも、ぜひ覚えておきたいのは、小児でしっかり治療していないと、大人になってから再発する可能性があるという事です。
どうして小児で喘息治療をしっかりしようと思うのか
私の父親は技術職でガタイが良く、70近くになってもいまだに懸垂なんてしちゃってます。出張も多くいつもハードは日々を送っていて、なんて基礎体力があるんだろう、、、と内心尊敬していました。でも最近は、喘息の再発で発作が続き、夜も寝つけない状態が続いています。疲れやストレスもあるようですが、発作がなかなか収まらないんです。
父親は実は小児喘息で、しかも小さい時は体が弱くて、結核にもなって、小学校を留年。結核の療養所に行ったときは、もう家に帰れないと思ったそうです。結核はさておき。大人になって、体力をつけて、健康になったと思っていても、喘息は完全に治っているわけじゃありません。
体を鍛えれば大丈夫!と言う人もいますが、でも、これは体質です。一種のアレルギーです。最近発作が出てないから大丈夫、なのではなくて、体のどこかに見えない病気の火種が残っています。
父親はもう70。この年齢になったら気管の形は固まってしまっています。もう細いまま治りません。発作を抑えるしかないんです。あと何年生きられるでしょうか。平均寿命が80歳だとしたら、これから10年もこの発作と付き合わなければなりません。
その前に、子どもで気管の形がまだ柔らかく、今治療すれば元の形に戻せるこのタイミング。このタイミングを逃さないように、今できる事をしっかりしたい。と私は思っています。もしかしたら、父のように再発するかもしれないけど、再発の可能性をできるだけ低くしてあげられるのであれば。毎日、ネブライザーマスク、洗いますよー!面倒臭いけど、、。
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