ストレスを抱える子どもたち。4才娘の爪噛みと夜の歯ぎしり〜入院して治ったのは病気だけじゃなかった

      2017/06/20

2015年8月に娘が10日間入院しました。病名は川崎病不全型。軽症だったので入院期間は10日と短い方でしたが、この10日間は私と娘にとって、とても貴重な時間になりました。その目に見える変化は、「歯ぎしりと、爪を噛むくせがなくなった」ことです。

 

4月は集団生活で鍛えられる一方、ストレスも大きい

figure-552115_6404月は入学や入社、異動や転勤など、多くの変化がある季節ですね。そして、それは幼稚園児にとっても同じです。クラス替え、先生の配置換え、新しい生徒の入園など。小さい体にとって大きな変化です。

娘は4月から幼稚園の年中さん。年少時は20人弱のクラスでしたが、年中からは30人クラスになりました。クラス替えで元々同じクラスだったのは娘含め8人です。結果、30人中22人は新しい人。先生も変わって、教室も変わって、、、。4歳児にとって、この環境変化はとても衝撃が大きかったようです。

クラスの人、名前覚えた?と聞いても、「知らない人がいっぱいいる。」と答える日が数か月続きました。そして少し人見知りな娘は、いつも遊んでいた友達が新しい友達と遊んでいると、「いーれーて!」なんて気軽に入れません。そのため、1人で遠くから眺めている事もちょくちょくあったそうです(面談で後程聞きました)。

そして、気付けば4月のいつからか始まっていた爪噛み。酷いのは深づめ状態で、見た目も痛そうなものでした。そして、寝ている時の歯ぎしり。これが数か月ずっと続きます。

 

実は結構ストレスを受けている子どもたち

5月の幼稚園の保護者会で分かったのは、実は他にも何人かいつもと変わった状態にある子供たちのことでした。

  • 夜泣きが始まった
  • おねしょをするようになった
  • 癇癪を起こすようになった
  • 歯ぎしりするようになった
  • ちょっとしたきっかけで泣くと、止まらないようになった
  • 兄弟に当たるようになった 等々

 

聞いていると、子どもにとって4月というのは、試練の時なんだなと分かります。

「赤ちゃんは起きた時に、寝る前と環境が変わっていると死ぬ程びっくりする」という言葉を聞いたことがありますが、つまり、乳児や幼児にとっての環境変化は、大人が感じるのと比較にならないほど大きなストレスになる、という事だと思います。

正直、私は「子どもが感じているストレス」に鈍感でした。

 

私もストレスの原因になっていた

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娘はのんびり屋さんです。朝ご飯を食べるのに、1時間くらいかかります。散歩なんて行くと、白い石を拾ったり、どんぐり拾ったり、花びら拾ったり、ちょうちょを追いかけて、虫を見つけて立ち止まって、綺麗な葉っぱを見つけて立ち止まって。大人で10分の道が、1時間くらいかかります。

時間に余裕がある時はいいですが、幼稚園に行く前の朝なんて、早起きが苦手な私にとって余裕なんてありません。「早くごはん食べて!」「もう1時間だよ!お話しないでごはん食べるの!」「遊ぶんじゃなくて、歯磨きでしょ!」「弟のことはいいから、早く上着きて!」「次はこれでしょ!早く早く、、、、云々」

いつも、急かしていたなと思います。特に夏休み前の新学期。

もう4歳になり、色々できるようになりました。1歳の弟と違って口調もしっかり、お箸もしっかり、トイレも一人。絵本も一人で読めるし、自転車だって乗れる。

結局、私はもう4歳、でもまだ4歳の子どもに、大人の早さを求めていたんだと思います。大人の感性も。

 

10日間24時間一緒にいる事で見えてきたこと

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今年の8月、川崎病で10日間入院しました。その病院は付き添い看護で、保護者が同室で寝泊まりするスタイルでした。病院の一室に、私と4才娘と1才息子の3人でひきこもり。

その間、久しぶりに一緒にたくさん遊びました。折り紙で花を作って壁にはったり、絵本を読んであげたり。模造紙に絵を書いたり貼り絵をしたり。七夕のような折り紙のチェーンを作って壁に貼ったり。映画を一緒に見るのもしました。

いつもは、娘が映画を見ている時は、はじめは少し一緒に見るも、途中から家事をしながら横目で見ています。でも、入院中は違います。ずっと一緒です。おひざ抱っこや、肩にもたれてみたり。思う存分甘えられて、娘も満足そうです。

こんなに一緒にいたのは、すごく久しぶりでした。いつも同じ家にいたのに、本当は一緒に遊んでいなかったんですね。

昔、幼稚園に入る前はよく遊んでいたけど、いつからか一人遊びができるようになって私が一緒に遊ぶ時間が減った。だって、一人で遊べているから。その間、他の用事ができるから。

でも、本当は一緒に遊んで欲しいんですよね。その事に、私は気付いていませんでした。そして、一緒に遊ぶことで見えてきたのは、娘の成長ぶりです。

いつの間にか、読める平仮名が増えていること。はさみの使い方が上達していること。絵が上手になったこと。実はアルファベットが書けるし読めること。語彙も増えていること。物覚えも早くなったこと。

 

子どもの成長は目に見えづらい

赤ちゃんに比べ、子どもは成長が目に見えづらい。と言いますね。赤ちゃんはハイハイができるようになって、初めてのアンヨ。ジャンプができるようになって、たどたどしくも走れるようになる。

子どもはどうでしょう。身体的変化はぱっと見てあまり強い印象を受けません。ちょっとずつ身長が高くなって体重も重くなりますが、赤ちゃんの1年間の身体的変化と比べると比較になりません。つまり、子どもは身体的でなく精神的、頭脳的成長が少しずつ進んでいくのだと思います。もっと、この点を見て誉めてあげられれば良かったなと反省です。

 

入院で得たもの

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結果、私が入院中に得られたものは、自分自身の反省の時間、子どもとの関わりを振り返る時間でした。果たして、私の育児は子どもに寄り添ったものになっていたのかどうか。娘の気持ちを考えられていたのかどうか。娘の抱えるストレスに気づけていたのかどうか。娘が話したい事を話せる母親でいられたのかどうか。そもそも、ちゃんと娘の事をしっかり見られていたのかどうか。

反省点がたくさんありすぎ、、、。でも、この時間が得られて本当に良かったです。そして、この10日間を経て退院した時、娘の爪噛みと歯ぎしりは治まっていました。

 

「パチン」「パチン」

 

4か月振りの娘の爪切りは、安堵と感動で胸がいっぱいでした。

幼稚園の環境変化には徐々に慣れるでしょう。でも、私は私が変わらないといけません。おうちの外で受けたストレスを、おうちで癒してあげられる、そんな環境を整えてあげられたらな、と思います。

 

子どもがストレスを感じていると思ったら

話を聞いてあげるのもいいと思います。でも、うまく言葉にできない事の方が多いかもしれません。どうして自分がこんな状況にあるのか、どうしてイライラするのか、どうしてうまくできないのか、そんな想いを抱えている状態かもしれません。そもそも、そんな原因がどこかにある事に気付いていないかもしれません。

そんな時は、ただ、いつも一緒にいるよ。傍にいるよ。あなたの事をちゃんと見てるよ。だから、大丈夫。と言う事を伝えてあげるのがいいのではないかと思います。いつも応援してくれる人がいる。大好きなお母さんが傍にいる。お父さん、おじいちゃんおばあちゃん、誰かがちゃんと見てくれている。

逃げる場所があることを伝えてあげて、後はゆっくり待つ。私は、次はそうしたいです。そしてこれは、私が一時期不登校になった時に、私の母がしてくれた事でもあります。忘れてましたが。

 

忘れられない一言

ちなみに、私の余裕がなかった時の状態をよく表している娘のことば。

「お母さん、今日は一度も怒ってないね!すごい!!」

夏休み初日、朝10時に言われました。胸に刺さりました。この言葉を忘れずに、怒りの感情と上手に付き合っていけるといいなと思います。

 

 

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