映画「スノーホワイト」を親目線でみてみる

      2015/11/14

随分前に録画していた、スノーホワイト(2012年 原題:Snow White & the Huntsman)を見ました。途中まで年中の娘も一緒でしたが、内容があまりにも暗いし怖いので、あとで1人でみました。全部見終わっての感想は、何だか、親のあり方によって子どもの人生が変わるんだな、、、というものです。ちょっと、普通の感想とは違うかもしれませんが、どうも子どもが出来てからというもの、見る映画、見る映画、全てにおいて親がこうであったら、、、という視点が離れません。

 

Snow Whiteの内容は以下です。

マグナス王と王妃エレノアの一人娘スノーホワイト(以下スノー)は国中から愛されている心の美しい少女。だがある日母エレノアは急逝し、マグナス王は謎の軍勢との戦闘後、囚われていた女性ラヴェンナを助ける。その美しさに心を奪われたマグナス王は、ラヴェンナを新しいお妃に迎える。だがラヴェンナの正体は邪悪な魔女で、王を暗殺し、魔軍を引き込み国を乗っ取ってしまう。ラヴェンナは鏡の精の助言に従い、生き残りの王族も皆殺しにしたが、スノーだけは秘密裏に監禁し生かし続ける。 ラヴェンナの悪政と呪いによって、王国はまたたく間に荒廃し、闇に閉ざされてしまう。

スノーホワイト(白雪姫) クリステン・スチュワート 坂本真綾
ラヴェンナ(継母) シャーリーズ・セロン 小雪
エリック(猟師) クリス・ヘムズワース 椎名桔平
ウィリアム(白雪姫の幼なじみ) サム・クラフリン 浪川大輔
フィン(継母の弟) サム・スプルエル

wikipediaスノーホワイト (2012年の映画) より一部抜粋&編集

 

 

※ネタバレあります。

継母のシャーリーズ・セロンはとても綺麗で、最初から「わー!綺麗だなー!」と見てましたが、結婚したその日の夜に王様が殺されるし、あっという間に悪の軍勢に支配されるしで、最初から最後まで戦いのシーンが多く、映像自体もいつまでも黒と灰色でおもたーい雰囲気でした。

やっと明るい雰囲気になったぞ!と喜んで見ていた、聖域(サンクチュアリ)と言われる妖精の住む場所も、あっという間に悪の軍が入ってきて戦闘シーンに。妖精の王様っぽい大きな白い鹿は矢で打たれるし、小人のおじさんも1人死んでしまうし、どこまでも暗いです。

そして、しかも、色々な場面場面でこれってあれに似てない??という要素を感じます。私だけかもしれませんが、、、。

例えば、金で出来た鏡の精は、ターミネーターみたいな形をしているし、黒の森にスノーを捕まえに来たエリック(猟師:huntman)が、結局のところ白雪姫を連れて森を通り抜けるシーンは、ベルセルクのガッツそっくりです(ここはマニアックなので分からない方はスルーしてください)。

妖精の王様(?)の大きな角のある白い鹿は、デイダラボッチに見えますし、白雪姫が甲冑を身につけて馬に乗って戦いに出発するシーンなんてジャンヌ・ダルク!!にしか見えません。

まぁ、色々な話がありますので、何かしら他の映画や話に似てくるのはしょうがないですね。ここ似てる!!と思いながら1人で楽しむことができました。

 

さて、今回気になった点は、そもそもなぜ、継母であるラヴェンナは白雪姫を最初に殺してしまわなかったのか。鏡の精に、王族は全て殺してしまう方がいい、とアドバイスをされていたにも関わらず、です。結婚式の前に、ラヴェンナはスノーにこんな言葉をかけます。「血はつながっていなくても、よい母親になれるように頑張るわ。」というような事です。結婚式の晩に王様を殺すつもりだったのなら、わざわざスノーにそんな事言わなくてもいいようなものの、とも思います。仲良くなるための策略?いえ、王様はもうラヴェンナの美貌の虜です。別にスノーの意見なんか必要ないわけです。

 

後々でてきますが、ラヴェンナは小さい頃、住んでいた村をどこかの王に焼き討ちされます。そして捉えられて連れて行かれるのです。その間際に、彼女は母親からこんな事を言われます。「その美しさは、お前の力となる。(略)復讐しておくれー!!!!」。

その後は、捉えられた王様の女となるものの、他の女性を好きになった王様に捨てられ、放り出されます。そして、スノーの父と結婚するに至るわけです。彼女の力の源は「美貌」であり、心の根底にあるのは「復讐」です。でも、小さなスノーに会った時に、昔の自分を思い出したのではないか、と私は勝手に思っています。だからこそ、殺すまではしなかったのかな?と。

そしてラヴェンナの弟も、魔女の姉を助けつつ自分の人生を全て姉に捧げ、好きな事をできずに生涯を終えてしまいます。2人がやってきたことは、とうてい許される事じゃありませんが、そもそも幼少期を幸せに生きていたら、世の中を暗黒の世界にする存在にならなかったであろうと思うのです。

親の一言は、子どもの心にものすごく響きます。何気ない言葉でもそうです。ましてや、最期の言葉なんて、一生涯の重荷です。「復讐しておくれ」という言葉は、一種の呪いです。ラヴェンナは、生涯その呪いから逃れられなかったのでしょう。

 

子どもの心は真っ白ですね。じゃあ、その心の色を彩っていくのは何でしょうか。それは環境であり、家族であり、友達であり、所属する社会です。でも、最も重要な要素は「親」だと思います。もしくは、一番傍にいる「大人」です。その傍にいる親の心が黒かったら、子どもはどうなるでしょう。子どもは判断基準がまだ不明瞭です。言葉だって、まだ覚えたばかりです。もし「りんご」を「みかんだよ。」と教えたら、「みかん」と呼ぶようになるでしょう。もし、言う通りにならなかったら、人を殴っても仕方ない、と伝えたら、人を殴っても心が傷まない大人になるでしょう。最近は暴力をふるう子どもがどんどん増えている、と聞きます。友達を殴るのを先生が止めたら、「うちの親はもっとすごい!」と言われるんだとか。(日経新聞2015/9/17 小学生の暴力が過去最多 14年度1.1万件、低学年で増加

「スノーホワイト」の一般的な感想とは大きく異るかもしれませんが、見終わって、私としては何だか魔女とその弟が可哀想に思えたのでした。そして、ちょっと、自分の言動や行動も見なおさなきゃな。と思いました。

 

 

ちなみに、今回の小人は人じゃありません。あれは「ドワーフ」です。だって、暗闇でも目が見えるから、俺たちの仲間は金鉱で働いていた。と言ってましたので。

この映画は、細かな部分をしっかり見ると、色々な仕掛けがあって面白いなーと思いました。が、いかんせん最初から最期までダークな雰囲気なので、子どもにはオススメできません。白雪姫関係で見るなら、「ミラーミラー」がオススメです。明るくて可愛くて綺麗でコミカルで楽しいですよー。魔女役のジュリア・ロバーツの美しさに釘付けです。

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