熱性ケイレン体験談。あの時何が起こったか、どうすれば良かったか 〜 正しい対処方法まとめ
2017/05/30
それは突然やってきました。いや、ちょっとは前兆があったかも? まだ8ヶ月の息子Bくんはお昼くらいに38度の熱が出ました。でも機嫌はよく、ちょっとした風邪だと思っていました。19時ごろには39度の熱。機嫌は悪くない。20時。突然のケイレン。視線は遠いところを見つめ、体が大きくガクガク揺れる。
ここでは、息子のその時の様子と対処方法などの体験談を紹介しつつ、本当は何をすれば良かったのか。正しい熱性ケイレンの対処方法をまとめます。
ちなみに、息子は結局2才になる前に、3回ケイレンを経験しました。3回目の時には、CTスキャンと脳波チェックもしました。その後は特に何事もなく、熱が出たときにケイレン予防薬を使うのみで過ごしています。
それは突然やってきた!!熱性ケイレン1、2回目の体験談
息子Bくんは第2子ですが、第1子(娘Aちゃん)の時に、医療知識がないことで困ったことがあったので、2人目の時は困らないようにと前もって「子どものよくある病気・その対処方法に関する本」を読み込んでいました。まさか、その予備知識がすぐに役にたつとは、、、。いや、もしくはアダとなったのか、、、。
【予備知識】
- ケイレン中は、体を触らず様子を見る
- 舌を噛んで死ぬことはないので、口に物を入れたりは絶対にしない。逆に怪我の元になる
- ケイレンの様子をチェックする
- 発作の持続時間を絶対!!確認(10分以上は即救急車)
- 左右対照の動きかどうか確認
- 痙攣が終わった後に、首の硬直がないか確認
熱性ケイレン1回目:2014年7月9日 息子8ヶ月
【 ケイレンまでの経緯と実際起こった時の様子 】
- 昼ごろ38度の発熱。(実はイオンで娘と3人でランチをしていた)
- まだ「ちょっとした風邪かな?翌日クリニックに行こう」と考え自宅で様子見
- 19時ごろ、39度の熱。病院も閉まってるし、とりあえず冷えピタを貼る
- 疲れたのか、スヤスヤ寝ているので様子見
- 20時、「う、う、、、」と声が出たかと思うと突然ガタガタガタ!!!!と揺れ始める
- 体がガチガチに硬まっているのが分かる(釣った魚が死んで、硬直しているイメージ)
- ケイレンは全身
- 体の左右の動きは対照。若干左の動きが違う、、、かも?という程度
- 視線は頭の上の方、遠いところを見つめている。というか見えてない
- 時間は約90秒
- 止まった後も、なんだかぼーっとしている。
- 本人は、自分に何が起こったか分からず怖がっている感じ
【 その時の私の対応 】
旦那は出張でいないので、同居のおじいちゃんに娘を預けて、とりあえず地域医療センター(夜22:30まで診てくれる)へ行きました。センターに着くまで約15分。ぼーっとしている息子をつれてセンターに着いた時は、本人も気が楽になったのか笑って遊ぶように。。。「え!!せっかく来たのに、こんな状態だと来た意味が、、、!!」という心の声は置いておいて、とりあえずお医者さんに診てもらいました。
が、結局何もなく、「まあ、一時的なケイレンがあったんですね」「熱もそんなに高くないし、様子見で大丈夫でしょう。」とだけで終了、帰宅。
熱性ケイレン2回目:2014年7月10日 息子8ヶ月
【 ケイレンの様子 】
- ところが、1回目のケイレンから数時間後2回目のケイレン。夜中2時
- 持続時間は同じく90秒程度
- 首の硬直もない
- 終わったらスヤスヤ寝始めた。苦しそうではない
- 熱は多分38度弱
【 私の対応 】
- 「様子見でOK」と言われたし、寝てるし、具合悪くなさそうだし、救急いってまた行かなくて良かったのにというのもなんだか、、、。
- ま、明日朝一の病院でいいか。と様子見。
- 翌日朝一でかかりつけのクリニックへ
本当はどうすれば良かったのか
さて。みなさま、いかがでしょう。私の対応のまずかった点は、、、お分かりでしょうか。
正しくは「2回目のケイレンの際は、夜間救急に行くべきだった」です。翌日のクリニックで先生に注意されました。いや、苦言を呈されるというか、、、。「何事もなかったから良かったですけどね(まったく、、、)。」という。
この点、お医者さんに言われた事は、以下でした。
体のケイレンが収まっても、脳はケイレンが続いているかもしれない
→ 1度目のケイレンで、発作が終わった後もぼーっとしていたのは、脳のケイレンが続いていた可能性もある。
短時間で2回目があったなら、発作の持続時間関係なく病院へ行くべき
→ 20時に1回目、2時に2回目。この間5時間。通常この短期間に2回はあまりない。
心配し過ぎて、慌てふためくのは問題ですが、「大体において熱性ケイレンは問題ではない。」なーんて本を読んで知ったかぶっていると、「大体」に入らなかった場合、大きな病気が隠れているのを見逃してしまうかもしれません。私はちょっと、のんびりし過ぎました。反省。
正しい熱性ケイレンの対処方法
ではここで、正しい熱性ケイレンの対処方法を。子どもが突然ガクガク揺れだしても、まずは以下のポイントを押さえて、落ち着いて対処してください。
初めてけいれんがおこった時はびっくりしてどうしてよいか分からないのが普通でしょう。「まず落ち着いて、よく見る」ことが重要ですが、実際には難しいと思います。ほとんどの場合けいれんは数分で止まりますし、外からの働きかけで早く止まるものでもありません。
- 衣服をゆるめて顔を横に向けて、もし吐いているようなら口や鼻のまわりを拭いてあげる。
- 舌をかまないように物をくわえさせることは全く無用で、かえって口の中を傷つけることがある。
- 診断や今後の治療の参考のためにも、けいれんの形や持続時間、体温を確認したい。
何度もおこしているとご家族も慣れてきますが、初めてのときは発作がおさまっても救急車を呼ぶことが多く、これはやむを得ないかと思います。初めての発作のほかに、早めの受診が必要なのは次のようなときです。
- けいれんが10分以上続くか、何回も繰り返す。
- 体の一部だけのけいれんや左右の差が強いとき。
- けいれんのあとに意識が回復しなかったり、体の動きが悪いとき。
けいれんが短時間でとまり、その後すやすや眠っているときは、ダイアップ坐薬(詳しくは後で書きます)の用意があればこれを使います。
熱性けいれんの部屋へようこそ 3)けいれんがおこったら?/上大岡こどもクリニック
けいれんの対応は「よく観察すること」
子どもがけいれんをしているとき、どうしたらよいのか質問されますが、いちばん良い事は何もしないで観察する事です。
(1)けいれんが何分続いているのか。
もし10分以上続いているときには、救急車を呼ぶ準備をします。(2)どのようなけいれんか(全身けいれんなのか、左だけのけいれんなのか、顔だけなのかなど)観察することが診断の重要な情報になります。
けいれん中に舌を噛むのを防ぐために「割り箸などを口に入れるのが正しい処置」と思っている人がまだいるようですが、これはやめてください。無理をして口に何かを入れると、嘔吐を誘発して、吐いたものが気管に入る危険があるからです。
けいれんが止まった後は、ご両親は病院へ連れて行くまで呼吸状態、顔色、手足がきちんと動いているかどうか観察してください。意識状態も重要な情報です。
現在けいれん予防やけいれん止めとして座薬がよく使われています。熱性けいれん経験者に、37.5度から38度になったとき予防的に座薬を使うよう指示している医師が多くいます。
実際、けいれんが起きたときに速やかに座薬を使うと、けいれんの持続時間が短くなります。
けいれんは突然起こる症状ですが、その場で死亡することはありません。速やかにかかりつけの医師と連絡をとり対応することが重要です。けいれん、ひきつけ / 白クマ先生の子ども診療所、日本医師会
おわりに。後日談。
さて。後日談として。結局息子は8月2日の夜中にもまた熱性ケイレンを起こしました。今度は迷わず夜間救急へ行きました。ちょっと3回目は多いなと。その総合病院でこれが3回目であることと、初回と2回目の時の様子を伝えたら、、、
「どうして、初回の時にダイアップを使って貰えなかったんでしょうね、、、。そうすれば、2回目は防げたかもしれないのに、、、。」
おお!それはちょっと落とし穴です!!調べると、たしかに大体においてダイアップを使うであろう事が分かります。

熱性けいれん診療ガイドライン2015 /日本小児神経学会監修 p33
そして、後々分かりますが、初回の発作の時にいった地域医療センターの時のお医者さんは、外科医師なのでした、、、。内科はここ数年で診るようになったと。まぁ、それがどこまで関係あるかは不明ですが、私には専門が関係あったように思えます。
どちらにせよ、もう3回起こっちゃったので、3回目の時に行った夜間救急では即CTスキャンと血液検査をしてくれました。後日、脳波チェックも行い。問題なし!ということで。安心です。
さて。これを読んでくださっているみなさまも、身近にいる子どもがいつ熱性ケイレンになるか分かりません。なので、事前準備として、まずは知ることから初めてください。知識があれば、突然その時がやってきても、何も知らないよりは的確な対処ができます。
一番は、何事もないのがいいですけど。なにはともあれ、子どもたちがスクスク育てますように!
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