「百ます計算」で有名な隂山メソッド。でも何より大事なのは「きちんとした生活習慣」って言っていた!!

      2017/05/30


図書館で何気なく目に付いた『「隂山学級」学力向上物語』という本。そういえば、「隂山メソッド」って言うのあったなー。計算たくさんするやつ。

ということで、借りてみました。隂山英男氏の本。「隂山メソッドはこうして生まれた!」とも表紙に書いてあるので、まぁ、早期教育の先駆けみたいな内容で、どうやって学力向上するかの実践本みたいな内容だろうと思っていました。確かに、そのイメージは当たっていましたが、私の胸にグサッときたのはその教育指導方法みたいな話ではなく、、、もっと基礎的な内容でした。

 

 

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きちんとした生活習慣あっての学力向上

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p71あたりから書かれていた「生活習慣について」の話。早寝早起きの必要性、自分で起きられる子どもの割合が低いこと。朝食をしっかり食べてない子どもも多い事。寝坊で朝ご飯も食べず、集中力がない子どもは学校の授業でもぼーっとしていて、そんなんだと授業内容も理解が悪くなること。などなど。「きちんとした生活習慣こそ、勉強以前に必要なことである」と説いていたのです。

 

なんと!やばい、どうしよう、、、。

 

早寝早起き、これが、私は苦手です。子どもが寝た後に仕事をしている私は、たいてい寝るのが夜中過ぎか明け方で、起きるのもギリギリの時間になってからです。世の中のお母さんたちは、まず自分が起きて、色々と準備をして子どもたちを起こす人が多いようですが、私は子どもと一緒に起きます。「ほら!起きて着替えるよ!!」と言いつつ、私も着替え、「お母さんの勝っちー!!」とか言って着替えのスピードアップを促しながら朝の支度をするのです。

おかげで、朝起きてから出発までの1時間。娘には効率的な時間の使い方が身についたようですが、早寝早起きのしっかりした生活習慣とは程遠い、、、。夜寝るのも9時半くらいだし。まぁ、でも学力向上・早期教育をうたっている隂山氏が「生活習慣が第一です!」というのを知ったのは、私にとっていいきっかけでした。

子どもが自分で幼稚園の準備をしたり、自分で起きられるよう習慣づけをすることを、もっと重視しようと思います。それがまた、子どもが自分自身に自信を持つことに繋がり、物事に対して積極的に取り組むようになるのではとも思うので。

 

※写真はパンの朝ごはんですが、隂山さんはお米派だそうです。まあ、しっかり食べる事が重要だから、私としてはパンでもお米でも、ちゃんと食べればいいのではと思っています。

 

本の簡単な概要


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『「隂山学級」学力向上物語」』では、隂山メソッドを作った隂山氏が、どうして教師になったのか。その後、どういう経緯で子どもの学力を向上する必要を感じたのか。その際の指導法や実践方法。そして、学力をつけた子どもたちがどのように変わったのか。また、子どもたちの学力向上の際に必要不可欠だった家庭・地域・学校についての話。などが実際の例を豊富に交えて具体的に書かれていました。

「隂山メソッド」というと百ます計算が有名で、早期教育や詰め込み教育という批判もありますが、それより何より、どうして隂山氏が「子どもたちは学力向上が必要だ」と考えるに至ったのか、その経緯を知るのにとても良い本だと思います。

逆をいうと、隂山メソッドの方法論を知りたい場合は、他の本を読んだほうがいいです。この本は、あくまでメソッドに至るまでのプロセスを知ることに重点がありますので。

《 目次 》

  • 序章:基礎学力がない子供たち
  • 第1章:「でもしか」教師からスタートした私の教育人生
  • 第2章:山口小学校での取り組み
  • 第3章:私たちの指導法・実践編
  • 第4章:子供たちが変わった
  • 第5章:「詰め込み教育」という批判を超えて
  • 第6章:教育者としての喜び
  • 第7章:山口小学校の実践を支えてくれた人たち
  • 第8章:転機、そして新たな決断
  • 第9章:隂山学級「最後の授業」

 

 

個人的な感想

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早期教育が必要という人、もっと自由に遊ぶ事から学ぶことの方が多いという人、子どもに関わる人には、色々な考えの人がいます。そして、私はどれも間違っているとは思わないし、全部が正解だとも思いません。それぞれ、実践してきた中で成果をあげている方法が数多くありますし、逆をいうと、どれもがどの子どもに対しても同じ効果を上げるとも思いません。子どもによって、合う合わないがあると思うのです。1人1人違う子どもたちの学力向上であったり、生きる力向上であったり。子どもの持つ力を最大限に伸ばせる方法は何か。それを探すのが、親や教育に携わる人に求められる事ではないか。と密かに考えています。

 

この本を読んでよかった1番のポイントは、やっぱり基本的な生活習慣を見直すきっかけになったことです。

そのほか、この本は一教師の方の体験談として、学校で起こった実際の例がたくさん紹介されています。先生としての苦労話や、親との関係性の話。子どもがどのように成長して行ったかの事例などなど。学校内にいる人でないと知り得ない事が色々あります。私は教師ではないですし、学校関係者でもないですが、 子どもを持つ親として学校内の事を理解すること今後色々と役に立つことが多いでしょう。子どもが今後の学校生活でどういった事に躓きやすいか考える材料になりますし、先生の悩みを知ることは、親としてどのように関われば、その悩みの解消に向かえるか考える事もできます。

教師や子どもたちの関係性が強まれば、学校も楽しくなるし、勉強にも身が入る事でしょう。それに、やっぱり、子どもが笑顔で過ごせる環境を整えることができれば、私として、親として、何よりも嬉しいことです。

 

ということで、隂山メソッドに至るプロセスも理解できましたが、学校でどんな事がつまずくきっかけになりやすいかなど、学校内の事例を知るのにもいい本でした。専門的な言葉もないし、割と読みやすいです。

 

 

参考サイト

隂山英男(wikipedia)

 - 育児書